生活のこと/はるな
れない。ああ、でもやっぱり、ささくれだった畳にさんざん朝日が当たるのが愛しかった部屋や、日の出から夕暮れまでもてあますほど明るかった部屋がなつかしい。
おまけにこの建物はいま工事中で、窓をあけるといちめんに鉄骨の足組なのだ。
どこからもきょうがこないし、どこへもきょうが仕舞われないよ。
そんなわけで、空き箱を仕舞うのもそこそこに花を買いにいく。
生活と、生きていることとを分けて考えれば、どちらかはうまくいく。
夫もむすめも生活の側にいて、それだから愛している。(わたしが望み、戦って手に入れたもの)。
そうしてそれはこれから、わたしが望み、戦いながら手放していくものなのだ。
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