男の子のこと/はるな
い出しきるまえに幸福な気持ちになって、それで胸がいっぱいになってしまう。わくわくしすぎておなかがすいて、たくさんご飯を食べるのだけれどそれ以上に動き回るから、わたしの体は喜んで頗る調子は良くなる。
そうでない場合―間違った恋とは言わないとおもうのだけれど―、わたしは物事にひどく否定的になる。わたしのもともと悲観的な根の部分が肥大する。あれもそれも、彼の言葉も、信じるには危うく、裏返したり、反転させたりして、意味や理由を探ろうとしてしまう。それでもなんだか欲しくて、欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて、手に入れるのだけど、すぐにいらなくなってしまう。
そういう恋って、
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