準備のこと/はるな
 

あしたの準備、というものをしないで寝る子どもだった。宿題も、時間割も、着る服もほとんど準備しないで寝てしまった。かといって、早起きするわけでもなく、だから毎朝、わたしは兵士のようにごたごたと用意するしかなかった。でも着る服なんてそうは溢れていなかったし(機能的であればそれで良かった)、宿題は朝礼がはじまる前に終えることができた。
それが、いつからか、準備をしないということが、恐怖になった。ほんとうにいつからだろう。うちに帰ったら、次の日の持ち物をまず整える。夕食を摂りながら、マニキュアが剥がれていたらすっかり落としてしまうし、着ていく洋服を思い浮かべて、次に塗る色を決める。ごみの日をたしかめ
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