切花の春、時期、花瓶をあらうのこと/はるな
 
こどもが陽に反射してきらきらひかっている。よく見るとセーターに縫い付けられたスパンコールがいちいち光を跳ねかえしているのだった。
切花の世界は春を迎える。ラナンキュラス、チューリップ、スイトピー、アネモネ。花びらのうすいかわいいみんなたち、もうしばらく続くはずの寒さのなかで一層あかるい。
湯をわかし、床をみがいて、花をかざる。その平和のために必要ないくつかの覚悟や嘘、日常的な奇跡。わたしたちに訪れる途方もない決断のあれこれ、電池残量が気になるし、陽の暮れる前にかえろうね。
「ねーまま、かがみないときどーやってじぶんみるかしってる?はなできるよ、ままのめーこーやってみるとほら、はなうつってるか
[次のページ]
   グループ"日々のこと"
   Point(4)