星の子 (1)/瑠王
 
のカーブのあたりで無惨にも横転した列車のほんの数メートル先で、生後間もない乳児は天使のような声をあげていた。
第一発見者は列車事故の救助に駆けつけた新米の消防隊員だった。
彼は列車の一両目付近を捜索中に赤ん坊の声を耳にした。
はじめは列車の中から聞こえているものだと思っていたので、外の線路の上で彼女を目にした時は、その不思議な光景に救助も忘れ立ち尽くしてしまった。
"おお、神よ"
その言葉は凄惨な状況に向けられたものではなく、線路上の小さな奇跡を讃えるためのものだった。

"彼女の命は五十七人の尊い命と引き換えに授けられた。"
そう言ったのは
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