青い夜道
降りしきるものに
真紅がまじり
花片を踏みしめ近づく
白い脚先
冷たい絹に包まれた
やわらかな しなやかな
抱きしめても届かない身体
せめて髪に顔をうずめても
強い薔薇の香りに
動悸は鎮まらない
こんなに愛しいのに
怖れてしまうのはなぜ
夢の扉を
もう一枚開けると
見える光景に
静かに横たわっている
霧のように私は近づく
あのころ
あんなに未熟だったね
わたしの唇が
あなたの胸の間をたどり
それから
もっと深い谷を
歩んだとき
名前を呼んだのは
あなたでしたか
わたしでしたか