秘密荘厳大学文学部/済谷川蛍
さんだった。誰からも愛される存在である彼女は、よっぽど私とは縁遠い存在だと思っていたのに…。
「な、なんですか」
「森野くんから聞きました。レポートを手伝ってあげたみたいですね」
「え、あ、まぁ…」
「秋山さんって優しいんですね。みんな親切な人だって言ってますよ」
「そうですか」
私は普段極端なツンデレなのでこういうときはデレデレになってしまいどうしようもない。
「ヘッセが好きだって聞きました」
「そうですね」
「講義で前園先生とヘッセのことについて語り合ってましたね」
「そうですね」
「私もヘッセが好きなんです。お話しませんか」
「…えっ!?」
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