【批評祭参加作品】うたう者は疎外する/される/岡部淳太郎
は二元的に分類してきた。混沌を整理するということには分類も含まれるから、秩序の側にあるものと混沌の側にあるものというふうに分類することで、ひとまず物事を整理するという欲望は叶えられる。つまり、整理し名づけて開拓するということよりも、二元的に分類するということの方が優先されているのだ。そこには、どこかに混沌を残しておきたいという無意識的な思いもあるのではないだろうか。すべてが名づけられ社会の内側に組みこまれてしまったら、それ以上名づけによる開拓が出来なくなってしまう。人の根源的欲求が未知の混沌を整理し開拓することにあるとしたならば、すべてを整理し開拓しつくしてしまえばそうした欲求が満たされなくなる。
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