批評祭参加作品■気分と物語/岡部淳太郎
と詠嘆であると人々は見做してきたのだ。短歌や俳句の本質がどうこう言う以前に、人々にとってそのように受け取られてきたということはとりわけ重要だろうと思われる。何よりも字数の制限があるということがそうした印象を強めさせているだろう。また字数の制限というものは(ごく最近でも、若い人たちが五七五と指折り文字を数えて短歌や俳句を作ってみることがあるように)、決まったルールの上に則ったある種の遊びのようなイメージを人々の間に流布させてきたように思う(余談だが、現代詩よりも短歌や俳句を手がけようとする人の方が多いのも、一部はここに端を発しているような気がする)。こうした古来よりの詩的なものに対するイメージが集積
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