批評祭参加作品■「あなたについてのモノローグ」 佐々宝砂/たりぽん(大理 奔)
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「あなたについてのモノローグ」 佐々宝砂
「結局のところあなたについて書くほかはないのだ。」
なにげなく放り出されたような言葉が妙に引っかかる。ごく当たり前の、むしろ陳腐な宣言ではないか。ノートの端、教科書の空白、あちらこちらに書き付けた(愛しいあなたに会いたい)(あなたしか見えない)(こんなに好きなのに)などといった甘ったるい言葉、青臭い言葉達の総集編のような宣言。
加えて選択肢は常に複数あるのだともいう。先カンブリアの奇怪な生物たちが進化していく道筋が無数にあったのに、目の前
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