批評祭参加作品■詩のない批評:「反射熱」へ宛てて/2TO
 
ふれくと”もしくはその“りふれくしょん”を、それ視る無数の瞳へと向かわせられるような定数πやeであるべきだろう。……冒険には常に危険をともなうものである。スリルのないインディ・ジョーンズ、恐竜のいないジュラシック・パークなど考えられるだろうか? はたまた恋に落ちない007やイーサン・ハントのミッションなど誰が望むだろう? “りふれくと”とはそのようなスペクタクルアドベンチャーとして視られるべき事件なのである。
 さあ、冒険だ。危険や困難をただ耐えるのではなく、むしろそれを歓待すること。『健康な熱』だけでなくあらゆる種類の熱を『平和のうちに祝福する』こと。それが“りふれくと”である。その歌声は常に振動であるがゆえに『常に惑う存在』であるだろう。だが、その揺らぎとは常にハーモライズの可能性であり、また共鳴への可能性であることを忘れてはならない。『うたいながら生き、うたいながら生かされている』とは、まさにこの混声の歌声であり、歓待という歓喜の歌を歌うこと、その態度であるのだ。

   グループ"第3回批評祭参加作品"
   Point(5)