批評祭参加作品■狐のかわごろも/石川和広
なぎら健壱のアルバムを聴いた。詩も面白いし、演歌だか民謡だか流しだかフォークだかパンクだか前衛だかわからないセンスの良さ。さらに美声。しょぼいはずなのに全然貧乏くさくない。もっとふざけた人かと思ったが、半端な感じではない。昔読んだ彼の『私的フォーク大全』という70年代フォークの列伝も面白かった。知性とか理性が、泥臭さを排除することなくなりたっているので、上品なんだと思う。ほめすぎかもしれない。
駅のゴミ箱に 頭をつっ込んで
ゴソゴソ かき回す奴らを笑えるか
奴らの目ざすものは 東京スポーツ
東スポ中毒笑えるか 本当に笑えるか
ゴミ箱で見つけた そうした新聞が
[次のページ]
前 次 グループ"第3回批評祭参加作品"
編 削 Point(2)