【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
 
聞こえて来るものがある。遠い過去から聞こえて来るものがある。それでもそれは今ぼくの耳元で鳴っている。ノイズ。新宿のエスカレーターを下っていく友人を見ながら、私は友人がこれから会いに行く人のことを考えていた。今の時を生きながら過去の時を生きることもできるのだろうか。帰ってきた友人はたぶんそんなテーマをぼくに差し出した。ぼくはただぼくがその光景にいなかった会話のことを見ただけで、そのテーマについては深く考えなかった。それからしばらくぼくは、詩人の会話というものは、そういう周りの人が光景としてしか捉えられないものであるべきで、その詩人同士ですら、ロゴスの世界では咬み合っておらず、もっと外延したところで繋
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   グループ"フレージストのための音楽"
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