多義性のデザイン(アスパラガスさん讃3)/渡邉建志
氷の上をすべることだ
きみのガールフレンドに向かって
かわいいねって言うことだ
たかく縛った髪の毛に吹く
風以外を追っ払うことだ
靴を借りて
きみのかわいい恋人の
すべりだしのスピードで
この器官を冷やすことだ
この器官にのみ込むことだ
冬のつめたい塵をまぜて
白く貼りつくさ
きみの部屋のカーテンに
白く貼りついて離れないさ
冬を越えたものだけが
ぼくはスケートリンクにとじ込められた
きみの日なた
日なただよ
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アスパラガスさん讃3
「ちなみ」において多義的なベクトルのあっち向き
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