未明、みえないまま/渡邉建志
 
がないものだった。いまだに、あのころの日記の本が出ないかなあと思う。私には、彼女の詩は、ながらく分からなかった。というよりも、私が一般に詩読みではないだけなのかもしれなかった。たぶん、詩の読者にはいろんな人がいて、「月に二十冊読破しています」という人もいれば、全く読める詩以外は読めない人もいるだろうと思って、私は完全なる後者で、ただ、その波長が合っていなかっただけなのかもしれなかった。けれど、私には、雰囲気が整っているとは分かる、上手いなあと思う、だけど、その中心に何があるのかが、分からなかった。何が書かれようとしてそこにあるのかが。一つの雰囲気、空気があって、それを引き継いで、次の空気や雰囲気が
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   グループ"フレージストのための音楽"
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