因数分解中毒者のために/小林レント讃2/渡邉建志
 
に喚起するだろう。

最終行が優しい。純真さ、を思う。「僕の悲しみ/ / /ひさしぶり」や「ただ なんか/ /うれしかった」と同じ空気だ。15歳の少年にしか許されないような、ある、どこまでもな、純真さ。それがバカで愚かな感想だとは分かっている。15歳ということがそんなに重要なのか?知らなかったら作品の価値は下がるのか?と聞かれることは分かっている。ごめん、僕にとっては彼の作品ということを知ったからには、「ある声」を伴ってしか読むことができなくなってしまう。その声は僕が勝手に頭に作り出した声に過ぎないのだけれど。後に知ることになる詩人の声はとても低い声だった。それでも15歳のときの彼の声がどうだ
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   グループ"フレージストのための音楽"
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