沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
な沈黙の長さを持って読まれる必然性を持っている、ということ。
固い地面に座り込むあなたを
抱き上げることもできずに
傍に座り込むだけ
電信柱によりかかって
座り込むだけ
ただ それだけ
冬のはじめの風が
通っていった後の
例えば冒頭を見て、第一聯をすらすらと読み下した後、「座り込むだけ」の後に続くのはそんなに長い沈黙ではなさそうである。そして第二聯もすらすらと読み下すのだけれど、ここでは聯の途中で短い沈黙が入る、そのタイミングは美しいもののように思う。「座り込むだけ/ただ それだけ」。ただ、とそ
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