■批評祭参加作品■七〇年代詩の均質性/岡部淳太郎
 
』という前例があるが、おそらく多少の影響はあるのだろう。こうした一冊の書物としての言語空間を構築するという手法は、七〇年代詩以降特に珍しくなくなってきた感がある。
 だが、こうした均質的な言語空間を構築する行為は、現代詩全体を矮小化する方向に働いてしまっているのではないかと思う。七〇年代詩から八〇年代、九〇年代、そして二十一世紀の今日に至るまで、日本の現代詩は「七〇年代詩」というものをひとつの大きな分岐点とするように、大きな「言語の均質化」の波にさらされているように思える。一般の人々が「現代詩」と聞いて眉をひそめるような、難解性が確立してしまったのだ。七〇年代詩人たちと同世代で八〇年代以降に活発
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
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