「名」馬列伝(8) ローズバド/角田寿星
 
か儚げな末脚。彼女だった。
この重賞勝ちで一躍桜花賞戦線の有力馬として躍り出た彼女だったが、母と同じく熱発で、桜花賞は無念の回避。
復帰初戦のオークスTR、フローラSでは最後方から最速の上がりをたたき出し、3着に入る。

そしてオークス。府中の長い直線と脚質との相性が評価されて、彼女は4番人気。道中、彼女は最後尾グループの中を進み、4角10番手からゴーサインを掛ける。粘るテイエムオーシャンを競り落として一時は先頭に立つも、坂を越えたあたりでさらに後方から仕掛けを遅らせたレディパステルが襲いかかり、首差だけ差されたところで、ゴール。
早仕掛けとかそういうものではなく、彼女の実力は出し切って
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