超真理男兄弟[場面1−1]/国産和風モモンガ
 
直になれないわたしら。山が遠くに見えた。ぜんたいをざっくり見ると頂上から裾野まで緑一色で、山の端の緑と空の青との境目が補色で輝いて違う色が浮かび上がる。一本いっぽんをじっくり見るとひとつひとつの木々は申し合わせたように少しずつ違う色で、中には一本だけ色の変てこなヤツもいて、微視してから俯瞰するとそいつだけ浮いている。わたし本人が走っているわけではない。だからたとえ何人減ったとしても誰もいなくならない限りは平気でいられる。誰もいなくなっても最初からやり直せば数人からまた始められる。現にそうしている。何度もやり直している。

  グループ"超真理男兄弟"
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