超真理男兄弟[場面1−4]/国産和風モモンガ
 
で重たくなりそうな嬉しくない静けさ。誰かが咳きをするとそれが圧倒的なヴォリュームで響くし、「ちょっとトイレ」=「ビビりの戦線離脱」だと捉えられかねない空気がある。少しくらい気を遣って早めに煮込まれてくれてもいいものをトマトソースは中〜弱火でじっくりとおいしくなっていく。停電した瞬間の、微笑ましくもうっとうしい「うわっ!」「何?」「停電?」「ドッキリ?」みたいな会話もすぐに火が弱まって、負けじとみんなで「ワタシの停電体験」を面白めに味付けして語り始めるんだけれど後が続かない。停電もさることながらトマトソースに時間がかかり過ぎている。色んな気分発信の汗をかきながらソースをかき混ぜる、パスタを人数分計る、ぬるくなる前にビールを取り出す冷蔵庫はもうただの箱で。斧でもあればテーブルを叩き割って、自然発生した今の沈鬱さを自家製のしらっとした空気に変えることが出来るのであるけれども。
  グループ"超真理男兄弟"
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