「ひとつ」/長谷川智子
 



いまあたしは ふたりのおとこをすきでいる
そんなことはありふれたことにすぎないが
あたしには おおきおもすぎてはちきれそうなのだ


 まるいゆびのさき おおきくない て
 ちいさなかた ほそめのうで
 さいぼうたんいで いとおしい


いつかのまどろみのなかで つぶやいた
「きみといっしょならしんでもいい……」
「ばかね」
ということばがみょうにやわっこくてあったかい


 いろんなものがこれにあつまってくる そんなかんじ
 からみたい からめたい しばられたい それよりもなお しばりたい
 いつもそんなことばかりあたまのこえとしてうかんでは きえ
[次のページ]
   グループ"「mind & body」series."
   Point(2)