風のオマージュ その8/みつべえ
自信はない)。
そこの小ホールで夕方、現代詩の講演会が開かれる予定で、そのころ私淑していた山本太郎も来るという情報を得たので行ってみる気になった(はずだ)。そういえば小海永二の姿もそこで見た記憶がある。そして僧侶のような雰囲気を漂わせた石原吉郎。ほかにも幾人か「現代詩人」たちが来ていたはずなのに私が思いだせるのは、この三人だけ(石垣りんの朴訥な朗読を聴いたような気もするが別の場所でのことだったかも)。なんて不甲斐ない私の記憶力。石原吉郎が何を講義したのかさえ、もはや当然のように忘却している。
が、ただひとつ、私の記憶の感光紙にあやうくも焼き付いていることがある。
聴衆はほとん
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