黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
しろ違う顔を貼付けて来るのですから、誰が誰なのかさっぱりわからないのです。
「うふふ、わたしよ、わたし。ねえ、わからないの?」
「なんだ、青頭巾じゃない。よくわたしがわかったわね」
黒頭巾ちゃんはつまらなそうに言いました。
「ふん。そのダイヤのネックレスでわかったのよ。それ、おおかみが大枚はたいて買ってくれたやつでしょ、アンティークで、世界にこれひとつってやつ」
「そんなこと、放っておいてくれない。おおかみのことなんか今ここで考えたくないわ。それにしても、こんなところで知り合いに会っても始まらないわね」
「ま、それはそうなんだけど。まぁでもあなたも、どうせおおかみと来たんでしょう」
[次のページ]
次 グループ"黒頭巾ちゃん"
編 削 Point(2)