黒頭巾ちゃんと仮面舞踏会/チアーヌ
 
離すようにして、黒頭巾ちゃんを隣へ座らせました。
 そうして、ちょっと寂しそうにつぶやきました。
「俺はいつか、お前を殺しちゃうかもしれないな」
 黒頭巾ちゃんは何も言わず、おおかみの手を握りました。
 車のドアが開きました。運転手がマスケラをつけて、微笑んでいました。
「行ってらっしゃいませ」

 大理石の階段を登るとそこには大きな扉があります。
 黒頭巾ちゃんはおおかみにエスコートされて、階段を上ります。
 マスケラをつけた門番や道化師たちが、黒頭巾ちゃんとおおかみの行く手を広げ、会場の扉を開きます。
 すると、溢れるような光と音楽が黒頭巾ちゃんを襲いました。
 ハチャト
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