飴玉が降るのは君のおかげ/木屋 亞万
水色の空を
たこ焼き機で焼く
君は大阪人
光沢の揺れる液体を
凹む鉄板に注ぐ
一口サイズの雲を入れ
紅い雨もアクセントに
お次は雪玉ぱらぱらと
燃える太陽の熱に
香ばしい湯気が立つ
君の小指の鋭さで
あめ玉をくるくるする
玉は固そうに回る
完成が近いのだ
できた玉を皿に盛り
君はその一つを
優しくつかみ取る
驚くほど白い手だ
喜びをぶつけるように
地面に玉を投げ付ける
君は笑っている
次から次へと
種を蒔くように
地上ではあめが降る
男の子が口を開け
実においしそうに
あめを飲んでいる
前 次 グループ"象徴は雨"
編 削 Point(1)