絶望を避けながら/beebee
むせて膝をついた。
濡れ石に足をとられ、
両手をついた。
水溜まりに暗い夜空が映っていた。
流れていく雲たち。
自由はここにあったしそこにもあったんだ。
孤独であることは鏡に写る自分を見ることだ。
いや、鏡の自分に本当の自分を見せればいい。
目をつぶる僕とそれを見ている鏡の自分。
鏡の自分は目をつぶる真実の自分を見ることができたのか?
相対化する自分こそが孤独の魂。
水面に手を入れてかき回してみた。
虚構は悪戯な悪意にすぐに壊れてしまう。
静まるとそこには白い月が映っていた。
満月でもなく三日月でもなく、
それは中途半端な半月だった。
遠い日に想い出すことはなに?
近い日に想い出すことはなに?
振り返りながら君は笑って言う。
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