報 道/beebee
 
アルさは想像の余地を残さない絶対的な暴力であり、現実(リアル)でした。映像という暴力に私はぶん殴られ呆然としました。南米の内戦を伝える報道映像を見た時のことです。

その米人記者はまったく無音の情景の中で、検問の軍兵の指示で車から降ろされ、跪き、両手を上に上げて、従順を示していました。気まぐれなその兵士は靴のつま先でこづきながら、俯せに寝かせ、その背中から何の躊躇もなく、ドンと一発で撃ち殺したのです。

その音の入っていない映像は熱帯の情景と共に、あたかも非現実的で非情な情景を完璧に表現していました。凝固したような一瞬の時間をどう表現していいか分りませんでした。今もどう言い切ればいいのが考えてしまいます。読んで見てください。

   グループ"散文詩"
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