天気予報は雨/kauzak
 
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まだ柔らかな朝の光を受けた街は
サッパリした顔で無防備に佇んでいる

夜に息をひそめていた澄んだ空気を
胸いっぱいに吸い込みながら歩きだす

あらゆる事が起こり得る一日の始まり
だからこそ静かに落ち着きはらっている

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昼前に予報どおりに降り始めた雨
事務室で執務していた僕は気が付かない

雨の音すら入り込めない空間で
ディスプレイを睨んで何を産み出せるのか

外回りから帰ってきた同僚から
凄い雨だと言われてもピンとこないのだ

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雨は夜になってもやむ気配がなくて
明日も荒れ模様になるとラジオが告げる

傘がない僕は誰かが置き去りにした
ビニール傘を拝借して駅に急ぐ

存外に強い風に雨粒も舞って
駅まで10分の行程で濡れてしまう
  グループ"音数20の快楽"
   Point(8)