風暮街/凪名木なぎな
 


わざとらしく取り落としてみた銀細工の手鏡が
ナノ秒刻みで空をムシャムシャと食べました
さぁ風の音に添って渡ろういずこ

尖り切った指先は動きをやめたがらないし
きっと数多の紙片が舞い散るでしょうね

猫を小脇で撫でながらなら謝ったりはするなよな
ウルトラヴァイオレットまでグラデーションするクレマチスの声







   グループ"七行詩"
   Point(3)