亡命/よしおかさくら
君の世界の青に気がついた時
わたしの世界は終わってしまった
崩れ去る白、赤、黒
国はもう機能しない
優れた防衛隊員だとか
優れた外相だとか
そんなものは実に無意味なのだった
おまえはどうしたいのだと
いつも叫んでいる首相
選択肢は少なく
選択権は小さい
破滅しようとしたわけではなく
むしろ前へ行きながら
生きながら
消していってしまう
わたしは結局なにも持ってはいないのだ
君の世界の青に飲みこまれたい
青の色の美しさ、生きやすさ、交流
通りすぎるひとびとの晴々とした顔
わたしは
そこへ行きたいのだ
前 次 グループ"怪物"
編 削 Point(3)