カモノハシのパンセ6/佐々宝砂
言わなきゃならねんだ? というぼやきじたいが繰り返されたものだ。先を歩くものは、あとから来るものに、何度も同じ注意を繰り返してゆかねばならない。はなはだしくめんどうくさいけど。
ほら、そこは転びやすいよ!と言いつつ、私が率先してコケる。
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批評される側は、ただ、タフであればいい。しかし批評する側は、タフで優しくなきゃいけない、として。批評屋としての私はあまりにもタフでない。きついこと一言いうたびに落ち込む。批評の刃でいちいち自分を斬りつける。自分を棚にあげられたらいいんだが。
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どういう態度をとるのがいいか考えてみる。
どう考えても、微笑んで黙っているの
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