カモノハシのパンセ 震災編/佐々宝砂
想像する程度にわたしのあたまはわるいです。
いま目的はひとつだろうか。違うとおもう。目的はちっちゃな目前のことだ。おなかすいてる人にはとりあえずごはんを。寒い人にはともかく毛布を。風邪ひいた人には薬を。不安な人には安心を。苦しんでいる人それぞれの苦しみにそれぞれの必要なものを。それぞれはちいさい。あわさればおおきい。
被爆を避ける方法って聞くと必ず「風が吹くとき」を思い出してしまう。政府のいうとおり予防策をとるけどむなしく死んでくの。でもそれでも何かを信じて予防策をとるほうが、ただただ不安なままより幸せ。
私は共感するのもされるのも不得意で、それで困ることもあるが、こういう事態の
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