蛍よ、焦がれては/たりぽん(大理 奔)
 
 
   バーボンだ、もっと
   バーボンを焚け

今日 なにを焦がそう
もう 骨しか残っちゃいない
それでも 
小さな炎で 
じりっと炙れば

ピシ ピシと

春の芽吹きの音で
きっとあなたを
呼ぶのだろう

   バーボンだ、もっと
   バーボンを焚け

いとしい 
と聞こえれば
胸に届くだろうか

にくい
と聞こえれば
胸を突くだろうか、それとも

   バーボンだ、もっと
   バーボンを焚け

パシと
夏の音にまぎれて
ほたるの火の粉に
もどってしまうだろうか



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