夜想原/たりぽん(大理 奔)
星の照らす薄明かりをたよりに
君の存在を曲線でみつめる
ぬくもりは確かにそこにあって
通い合うものもあると信じられるのに
息遣いも、髪のほどける微風も
すぐ隣にあると、心が証明しているのに
二人で過ごしていると感じるこの方角は
わたしのコンパスが
指し示しただけなのか
それとも、だれもが知っている
あらゆる時間を相聞しているのか
孤独や不安でふるえる思いが
ふたり、悲しくさせる
そうだ、そうだ、
このまま、
小さな坂をあがったところにある
夜の原っぱに立って
水晶のかけらでも拾いながら
君でも、私でもないものについて
語り明かそう
そのまま まったく
ひとつの君と私で
ひとつの波のまま
光っていたり、揺れていたりする現象を
同じ言葉で、
同じ時間で、
同じ音楽で、
手にしたかけらが
二人の涙と
気付いても
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