秋星のくちづけ(先駆形)/
たりぽん(大理 奔)
海鳥とひとつづきで渡ってくる
季節の淋しさが
ビルの屋上にネオンになって明滅する
幽かな星空に瞬かない真実
夕焼けが照らし続けるから
火星は赤い星なのか
もうすっかり病んでしまった
日記帳やメモも
ネオンを映して明滅し
駅前のケヤキまでも
火星の色に染め抜く
そんな
きみのくちづけ
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