それとも指輪の刻印で/たりぽん(大理 奔)
誰にも見つけられたくない
世界は欲しいけど
世界には関わりたくない
けれどそんな薄紙の約束は
引き裂かれてしまったよ
やさしく笑った
そうやさしいだけのあの白い手が
肩越しに鍵を深く投げ捨て
僕には見えなくなってしまう
輪を結ぶ、親指と薬指
月がその大きさになる黒い夜まで
僕は消えることはない
世界も消えることはない
関係のない世界もなく
封印のかわりに
鍵を掛けて
結界 、
そう小さく刻んで
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