母さんはね/板谷みきょう
いつも読んでと
せがんで持って来た
『にんじん』という本
「可哀想だね。」と貴方は言って
「うちは、父さんも母さんも優しくて良かったよ。」と
母さんはね そんなお前を
どんなにか
誇らしい気持ちで見ていたか
解って欲しかった 幼いお前がまさか
幼いお前がまさか
幼いお前がまさか
まさか
こんな事になろうとは
お前の頬に落ちた
父さんの涙の温かさにも気付かず
幼いお前がまさか 幼いお前がまさか
幼いお前がまさか 幼いお前がまさか
まさか
こんな事になろうとは
母さんはね てっきりお前は
いつもの様に
ふくれたまんま 寝てしまったんだと
思っていたのよ
追記動画:http://www.youtube.com/watch?v=hkLEwjlGAJg
前 次 グループ"弾き語る歌(うた)の詩(うた)"
編 削 Point(0)