母さんはね/板谷みきょう
「死んだ方がましだ。」と
貴方は 母さんの事も考えてくれず
部屋に閉じこもってしまった
貴方の好きな 全員集合が始まったのに
貴方が部屋から出て来なかったのを
母さんはね てっきり貴方は
いつもの様に
ふくれたまんま 寝てしまったんだと
思っていたのよ 幼い貴方がまさか
机の上に開かれたノートには
鉛筆で父さんの事についても書いてあった
いつも
楽しくプロレスごっこをしていたのに
貴方は「約束を守ってくれない。」なんて
母さんはね てっきり貴方は
ちゃんと 父さんが忙しいのを
解ってくれてると
思っていたのよ 幼い貴方がまさか
貴方が一番大好きで い
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