念殺御陀仏(ねんころおだぶつ)/板谷みきょう
 
優しい言葉に意気地無し 
本音を吐けば笑い者
打ち明け話にそしり笑い 
口先ばかりの舌先三寸
卑屈な程の思いやり 
他人の不幸も銭勘定

愛想笑いにおりすけ根性 
中途で切れた蜘蛛の糸
目先ばかりの似非幸福 
心を奪われでくの坊
まことしやかな思わせ振り 
囁き頷く操り人形

うどの大木さるぐつわ 
刃物片手に生き恥死に恥
這いつくばって額に汗 
悲しみ暮れるその日暮らし
夢を語れば騙されて 
やっとの事で作り笑い

中途半端な面白半分 
なされるままに根無し草
すさんだ心に浸み渡る 
御門違いの横恋慕
笛を吹かれて踊らされ 
おだてに乗っても知らぬが仏

耳を澄ませば湿り声 
見渡せば四面楚歌
自由を待つ身の痩せ我慢 
平和を望む殺し合い
草木も眠る丑満時 
兼ねて用意の藁人形

願を掛けての御百度参り 
念じ唱える一心不乱
怨み晴さでおくべきか 
恨み晴らさでおくべきか
呪い文句に怨みを込めて 
阿鼻叫喚の地獄へ落ちろ

   グループ"弾き語る歌(うた)の詩(うた)"
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