二十歳に書いた歌詞 /板谷みきょう
 

恨みを抱いてトゲある言葉
むやみやたらに街へ出て
口笛吹けばそれが若さだなんて
こんな事ならあの時
がらんどうの念仏トンネルを抜けて
潮の香りが眩しく匂う
神威岬から飛んでいたなら
今頃幸せな
海の藻屑となっていたでしょうに

振り返る程人生も歩まず
いつものんべんだらりと過ごして来たけど
見て見ぬ振りして
人を奈落の底に突き落とし
そして又歩き始めて
それが正直な生き方なんて
焚火を囲んで酒を飲んで
大声出して流行り歌
肩でも組めばそれが青春なんて
こんな事ならあの時
六階のベランダから身を乗り出して
両手を開いて静かに眼を閉じ
そのまま地面に引き込
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