ザワメキたつハギレの山/暗闇れもん
触れた骸は冷たく穏やか
辺りに散らばる木片を踏みしめ
この感情が何なのかを考えていた
震えている暗闇の道
ザワメキたつハギレの山
口にする残飯
長く住みつく所はダンボール
心を交わした唯一の友
歳の離れた友
叫びを聞いて駆けつけた私の目に
赤い花を吐き続ける友の姿が見えた
私の姿を見て微笑む友
辺りに散らばる木片には友の命が削られた跡
赤く咲く命が零れていく
私は弱い
助けられない
お金がない
仇討ちをする力もない
一体何が
一体何が・・・
無意識に握り締めていた手に爪の跡が残っていた
私には手があった
震えている暗闇の道
ザワメキたつハギレの山
この感情が何なのかを考えていた
握られた手には一つの写真
冷たい友の懐で見つけた写真
私の母が微笑む写真
頬を何かが伝った
涙なのだと
あぁ涙なのだと・・・
今更ながらに運命を呪った
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