【道化】/穢土
 
捉えた。
我が身を鏡で観察する他者の眼で自分自身を発見したのだ。
俺の行為に願う姿などなく、真反対の仕出かしに驚愕した。

カラスが俺の情熱を食い散らしやがったのだ。

欠片を拾い集めて形にしようとしたが、形にはならずに
賽の河原の幼子のようにそれを繰り返した。
鬼はカラスか俺自身か、もはや断末魔の叫びは三途の川に木霊して、
生きながらに死んだ現代人のように徒歩を決めるのだ。
悲劇であれ、惨禍であれ、過誤であれ、敗北であれ、
美と情熱を得られないまま俺は死んでいく。
あぁ、なんてやるせないのだろう。
ノムコウ河に『くくくっ』って笑う奴がいる。それは君に違いない。

あぁ、それはそれは悔しいさ
君は死にながらに生きようとするのだから


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