遠天/
霜天
う
遠くなった空の下で
僕らは短くなっている
すっかり短くなった名前で
君のことを呼ぶ
軽くなった朝の中で
変わらずに出掛けていく人がいる
振り向いてくれればそれで、いいのかもしれない
絵葉書に景色が馴染むように
夜が少しずつ、近づいている
いつの間にか
とは言っても気付いているはずで
知っていることと、そうでないこととの狭間で
見えているものは見えている
その時に、気付ければいい
遠くなった空や
短くなった君や、僕について
戻る
編
削
Point
(10)