ヒューム「ベルグソンの芸術論」(2)/藤原 実
ジを重ねることで「瞬間のうちに知的・情緒的複合を表現する」ことが時間的、空間的制約から読者を自由にして、不意の解放感を与えてくれるのだ、とパウンドは言っています。
「偉大な文学とはまさに能うかぎり意味を充電させた言語である」(パウンド「いかに読むか」『詩学入門』[訳]沢崎順之介:冨士房百科文庫)というのは、ピカソなどの二十世紀絵画がそうであるように、さまざまな要素が極端に圧縮されることでより強固な美が構築されるという意味ではないかと思います。
ヒュームやパウンドから強い影響を受けたT.S.エリオット(1888-1965)の詩になると何の説明もなく断片的なイメージが投げ出され、突然に外面
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