雪、だから/
海月
いと思った
料理は君に任せていたから僕は何も出来ない
包丁を握ったのは何年振りの事だろう
野菜を切ったのは何年振りの事だろう
お米を洗ったのは何年振りの事だろう
結局、料理は失敗して口に運べるものじゃない
ご飯はお粥以上にやわらかく
野菜は塩辛い味付けで
それでも君は無理をして食べてくれて
僕の視界は歪んでいた
窓の外では微かに雪がチラつき
二人して窓に顔を当てて外を眺め
床では指先一つ離れた距離は埋まり
自然と重なっていた
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