爪のほうが大事なの/ロリータ℃。
空を切る指を
あたしは掴まずちょっと舐めて
堕ちてゆくのを只見てた
丁度太陽が沈んでゆくみたいに
爪にのせた艶やかなピンクベージュ
貴方に捧げるレクイエムになればいいな
足首に飾った金の鎖
貴方が好むペシミストにあたしはなったつもりで
最初で最後に優しさとやらを見せてあげよう
今私はピンクベージュの爪に
きらきら輝く粒を乗せている
貴方は今頃ベッドの上で遊戯に興じているのかな
醜態以外の何物でもない
でもそれがいいの
今更だから
輝きもいつかは
色褪せると勘違いしてたけれど
もとより身についてなかったものだと気づいてしまったよ
無様を晒す貴方の前でだけあたしは
わが身を慈しむことができるから
矛盾してると嘲笑れようが貴方はいらない
「もういらない」
紡いだ唇の形
貴方はどう読むのかな、なんてそんなことを考えながら
あたしは未だに爪を飾りつけ
デザートにキスする貴方を考える
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