生きるために/渡邊永遠
死は、私にとって
小さな頃から身近な存在だ
産まれてから
喘息発作で死にかけて
何度となく入院し(記憶にはない)
幼い頃に
弟や父親の死というものに直面した
看護師の職に就き
看取った人たちも沢山いる
私自身も
事故で死にかけたこともあった
死を怖いものとは感じてはいないが、私は死ねない存在だ
死にたくても、死ねない
殺されかけても、死ねない
事故にあっても、死ねない
「死なない」のではなく
「死ねない」のだ
私がいなくなったら
生きる気力を失ってしまうであろう人の顔が、私を連れ戻すだろう
私がたてた人生の設計図も
ま
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