眠り姫/
かや
一、
欲するのは桃色の乳房であり
熟れた林檎の頬ぺたでもあり
二、
卵殻のなか足の指で貪る夢という名の水菓子
三、
拒むために無知を選んだ
意識した愛情も無意識の悪意も
四、
紅を引かない花びらだけが
惚けた現実(せかい)で輪郭を持つ
五、
「役目を知る者の哀しい眼で愛していると髪を撫でて」
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