新世界/Kj
 
街はゆっくり朱にそまる

ポケットに手を突っ込んだまま

身体を縮めて

僕は焼けていく空を見る

白い息は宙を舞う


涙が零れて

それは嗚咽になった

僕はもうどこにもいけない

ただ、それだけだった
戻る   Point(1)